モータとICを選ぶ
モータプリセット、ドライバIC、電源電圧、電流制限を選びます。代表値は初期検討用です。型番が決まっている場合は、巻線抵抗、インダクタンス、保持トルク、ロータ慣性をデータシート値に置き換えます。
2-phase hybrid stepper solver
波形上を横方向にドラッグすると時間軸を拡大できます。ホイールでも拡大/縮小できます。速度・追従誤差・電流・トルクは、瞬時値、移動平均、RMS、定常化後の値を表示/非表示で比較できます。
rpm、full_pps、input_pps、kpps も使えます。曲線を入れていない場合も、過渡中の必要トルクをフルステップ相当kpps上に表示します。曲線入力時は、入力曲線、過渡軌跡、指令速度必要点、曲線上限@指令速度、定常評価点/終端評価点を重ねます。「強調する代表点」で、どの点を主に読むかを選べます。
| t [ms] | cmd pulse | rpm | err [step] | Ia [A] | Ib [A] | Tavg [N m] |
|---|
この画面は、ステッピングモータを選ぶ初期段階で「速度、負荷、電源電圧、ドライバICの組み合わせが無理のない範囲にあるか」を見るためのものです。最初はプリセットで動かし、負荷計算と速度-トルク曲線を足していくと、実機に近い見方になります。
モータプリセット、ドライバIC、電源電圧、電流制限を選びます。代表値は初期検討用です。型番が決まっている場合は、巻線抵抗、インダクタンス、保持トルク、ロータ慣性をデータシート値に置き換えます。
目標速度をrpmで入れると、STEP入力PPSは基本ステップ角とマイクロステップから自動換算されます。カタログ曲線を見るときは、STEP入力PPSではなくフルステップ相当PPSで読むことが多いです。
負荷トルク、負荷慣性、ギヤ比、効率を入れます。数値の見当がつかない場合は「負荷計算」タブでベルト、タイミングベルト、ボールねじの計算からシミュレータへ反映します。
カタログ曲線や実測曲線をJSON/CSVで貼り付けます。曲線は限界包絡として使います。グラフでは、入力曲線、過渡軌跡、指令速度必要点、曲線上限@指令速度、定常評価点/終端評価点を分けて表示します。強調する代表点はドロップダウンで選べます。
最終速度、追従誤差、負荷角、トルク余裕、電流誤差、PWM/PPS、逆起電力余裕、熱を見ます。各カードの「?」を押すと、意味、式、読み方が出ます。
トルク不足なのか、電流が追従していないのか、逆起電力が大きいのか、チョッパ/PPS比が低いのかを分けて見ます。速度、電源電圧、電流制限、モータL/R、負荷慣性のどれを触るべきかが見えます。
指令速度必要点は、入力した指令速度と必要トルクの組み合わせです。これは「狙っている速度で、これだけのトルクが必要」という要求点です。
曲線上限@指令速度は、同じ指令速度で速度-トルク曲線から読んだ上限トルクです。必要点ではなく、トルク余裕の分子になります。
定常評価点は、定常評価区間の平均速度と定常必要トルクの組み合わせです。同期して定常に入った条件では、この点を主に見ます。
終端評価点は、計算終了時の速度と必要トルクです。加速未完了や脱調時の参考点です。グラフ上の「強調する代表点」でどれを主表示するか選べます。
pps,torque_nm,label
0,0.80,holding
500,0.72,low
1000,0.58,mid
2000,0.34,high
pps とだけ書いた場合は、カタログ曲線としてフルステップ相当PPSで扱います。実測ログのSTEP入力PPSなら、曲線のPPS基準を「現在のSTEP入力PPS」に切り替えます。
高速で電流誤差と逆起電力が大きい場合は、電源電圧を上げる、低インダクタンスのモータに変える、目標速度を下げる方向が効きます。
低速でも追従誤差と負荷角が大きい場合は、負荷トルク、加速条件、負荷慣性、電流制限、モータサイズを見直します。
直動負荷の選定計算です。ベルト/プーリ、タイミングベルト、ボールねじを切り替え、F、TL、Ta、必要トルク、余裕率、慣性比を確認します。速度を基準にし、PPSはマイクロステップ設定から自動換算します。
加速時間指定は台形加速の条件が分かる場合に使います。自起動/f²式は、立ち上がり時間を置かない概算です。ボールねじでは予圧荷重と予圧摩擦を別項で扱います。減速段がある場合は減速比 iとギア効率を入れると、速度×i・トルク÷(i·η_G)・慣性÷i²でモータ軸へ換算します(反映時にシミュレータの減速比も更新されます)。比較モータトルクは0のままにすると、曲線または現在のモータ条件から自動で概算します。
| 項目 | 値 | 式/意味 |
|---|
トルク換算に使う寸法を示します。
搬送速度と加速時間から作る簡易速度パターン。
ステッピングモータの選定では、保持トルクだけを見ても判断できません。実際に問題になるのは、速度が上がったときの電流追従、逆起電力、負荷角、加速トルク、負荷慣性、ドライバの電流・電圧・熱余裕です。
このシミュレータは、2相ハイブリッドステッピングモータを電気系と機械系に分けて計算し、選定時に見たい量を同じ画面に並べます。目的は「最終設計を保証すること」ではなく、「無理な組み合わせを早めに見つけること」と「どの物理量が支配的かを分けること」です。
このページの式はLaTeX形式でも読めるようにしています。読み込み環境でMathJaxが使える場合は数式として表示され、使えない場合も元の式がそのまま読めます。
ステッピングモータ周りの√2は少なくとも3種類あり、混ぜると数値が4割ずれます。(1) 保持トルクとトルク定数: カタログ保持トルクは2相励磁(各相 Irated、電流ベクトル √2·Irated)の値です。正弦波マイクロステップの電流ベクトルは振幅 I なので、同じ電流設定で出せる最大トルクは保持トルクの約70.7%です。
(2) 発熱のRMS: 正弦波駆動の相電流RMSは Iset/√2、フルステップ2相励磁は常時 ±Iset なので RMS = Iset です。つまり同じ電流設定なら銅損はフルステップが2倍。逆に同じトルクで比べると、マイクロステップ側は電流を√2倍に上げる必要があり、銅損はちょうど同じになります。
(3) 電流設定値の定義: ドライバのVrefやレジスタ設定がピーク電流定義かRMS定義かはICごとに違います(電流制限欄の?参照)。データシートのトルク特性がどの電流定義で測られたかも併せて確認が必要です。
同じ回転数でも、STEP入力周波数はマイクロステップ分割数に比例して増えます。カタログの速度-トルク曲線の横軸ppsはほぼ例外なくフルステップ条件なので、マイクロステップ駆動のSTEP周波数をそのまま横軸に入れると、分割数倍だけ速い場所の(実際より低い)トルクを読んでしまいます。
本ツールはこの換算を「PPS基準」として明示しています。
1マイクロステップの指令に対する復元トルクは分割数とともに急減します。1/16分割で最大トルクの約10%、1/256分割で約0.6%です。
摩擦やディテントトルクがこれを上回る領域では、指令を進めてもロータは動かず、数マイクロステップ分たまってからまとめて跳びます。停止位置精度はカタログでフルステップ基準±5%程度(無負荷・非累積)で、分割数を増やしても向上しません。マイクロステップの実利は位置分解能ではなく、トルクリップル低減による低速振動・共振の緩和です。
保持トルクは励磁静止時に外力で動かすのに要るトルク、ディテントトルクは無励磁時の磁気的な引っかかり(保持トルクの数%)、脱出トルク(pull-out)はある速度で同期を維持できる限界、引き込みトルク(pull-in)はその速度から自起動できる限界です。pull-in曲線は負荷慣性に依存するため、カタログ値は特定の慣性条件での測定です。読み込む曲線がどれなのか、測定条件(電圧・電流・励磁方式・慣性)と合わせて確認します。本ツールが扱うのは主にpull-out側です。
用途で見る統計量が違います。発熱はDC成分込みのRMS(巻線銅損・ドライバ導通損は I²R)。同期維持は瞬時の負荷角とピーク必要トルク。選定余裕は定常評価区間の平均必要トルク。本ツールの速度・負荷角・誤差系列の「リップルRMS」はDC成分を除いた振動の大きさで、発熱計算には使えません。発熱は「相電流RMS」の指標を見ます。
カタログの定格電圧 R×Irated は定電圧駆動時代の名残で、チョッパ駆動では実質意味を持ちません。電源電圧VMは定格電圧よりはるかに高く(数倍〜十数倍)し、電流はドライバの電流制限で守ります。VMが高いほど電流の立ち上がりが速くなり高速域のトルクが改善します。
逆にVMを「定格電圧」に合わせると高速トルクがほぼ出ません。
慣性の g·cm² と kg·m² は7桁ずれるので指数ミスが最も多い箇所です。GD²表記との換算、トルクの単位系も要注意です。
曲線横軸の kpulse/s と pps の1000倍も既出の事故ポイントで、本ツールは読み込み時に換算しますがCSVに単位がない場合は推定です。
減速比 i のとき、モータ軸から見た換算は次の通りです。
慣性だけ2乗で効くため、慣性比が大きすぎる系は少しの減速で大きく改善します。逆に「トルクが足りないからギアを入れた」ときに慣性比とSTEP周波数(×i)が同時に変わることを見落としがちです。速度の基準軸を「機構軸」にすると、負荷の動きを固定したまま i を振って余裕の変化を見られます。
加速時間指定の式は台形プロファイルの定加速区間、自起動のf²式は「1パルス周期で速度fまで立ち上がる」と見る流儀です。
θsはrad、fはフルステップ相当PPS[Hz]です。文献により係数1/2が付く版があります。本ツールは係数なしの標準形(保守側)です。メーカー計算例と数字を突き合わせるときは、どちらの式・どの単位(θsがdegかradか)かを先に確認します。
静的なトルク余裕が2倍あっても、中速域の共振(数百pps帯)、急加減速での負荷角の振動、電流追従の遅れ、電源電圧の瞬間的な低下で同期は外れます。逆に一度脱調すると、トルクを上げても同期は自動復帰しません(位置情報が失われるため再原点出しが必要)。本ツールの追従誤差・負荷角の時間波形は、この「余裕はあるのに危ない」条件を見るためのものです。
負荷計算タブは、必要トルクと慣性の見積もりを作るための入口です。
シミュレータ画面は、その条件で電流、トルク、速度、負荷角が時間的にどう振る舞うかを見る場所です。
代表値タブは、プリセット同士の比較と、どの値が代表化されているかを確認する場所です。
色付きセルは推定・代表化・内部仮定を含む値です。モータ表の「推定/代表項目」と「根拠/注意」に、どの値が推定なのかを分けて書いています。ドライバの「実用[A]」「PWM/chopper」「θJA」は実装条件に強く依存する比較用の目安です。ヘッダをクリックすると昇順/降順で並び替えられます。
| メーカー | IC | 発表年(目安) | VM [V] | Imax [A] | 実用 [A] | µstep | PWM/chopper | Rds [ohm] | θJA | 推定/代表項目 | データ元/注意 |
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| 型番 | step [deg] | I [A] | R [ohm] | L [mH] | T hold [N m] | Jr [x10^-4] | detent [N m] | データ状態 | 推定/代表項目 | 根拠/注意 |
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